名古屋地方裁判所 昭和４９年（わ）２０６９号 判決
本店の所在地
愛知県蒲郡市中央本町一四番四号
法人の名称
株式会社 三喜
代表者の住所
愛知県蒲郡市中央本町一四番四号
代表者の氏名
清水桓
本籍
愛知県蒲郡市中央本町二七七番地の一〇
住居
同県同市竹ノ谷町松田七四番地二二八号
会社役員
清水八郎
昭和九年一月一五日生
右の者に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官石黒道治出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人株式会社三喜を罰金三〇〇万円に、被告人清水八郎を懲役四月に処する。
被告人清水八郎に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
（罪となるべき事実）
被告会社株式会社三喜は、愛知県蒲郡市中央本町一四番四号に本店を置き雛人形の製造販売等を営むもの、被告人清水八郎は同会社の取締役として同会社の業務全般を統括掌理しているものであるが、同被告人は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、昭和四六年六月一日から同四七年五月三一日までの事業年度において、所得金額が三〇、五八九、五九二円で、これに対する法人税額が一〇、八八七、八〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上架空仕入を計上し、売上の一部を除外して得た収入を架空名義で預金するなどして所得の一部を秘匿したうえ、昭和四七年七月二一日同県豊橋市前田町一丁目九番地の四所在豊橋税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五、二三九、六九二円でこれに対する法人税額が一、五七一、六〇〇円である旨の過少の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額九、三一六、二〇〇円を逋脱したものである。
（証拠の標目）
一、被告人清水八郎の当公判廷における供述
一、被告人清水八郎作成の各上申書
一、被告人清水八郎の大蔵事務官に対する質問てん末書（一〇通）及び検察官に対する供述調書
一、堀部孝資（二通）、池谷富士雄（三通）、池谷芳明（二通）、戸塚諒平（三通）、斉藤博、皆川（二通）の大蔵事務官に対する各質問てん末書
一、青木寅一の大蔵事務官に対する質問てん末書（二通）及び検察官に対する供述調書
一、石川皖也、土方克己、清水桓の大蔵事務官に対する各質問てん末書及び検察事務官に対する供述調書
一、井上学の大蔵事務官に対する質問てん末書及び検察官に対する供述調書
一、清水七郎の大蔵事務官に対する質問てん末書（四通）及び検察事務官に対する供述調書
一、大蔵事務官高瀬富吉作成の調査報告書二通
一、大蔵事務官沼幸数作成の調査報告書六通
一、大蔵事務官作成の脱税額計算書
一、大蔵事務官作成の証明書
（法令の適用）
一、判示所為につき 法人税法一五九条一項、一六四条一項
一、（刑種の選択） 被告人清水八郎の罪につき所定刑中懲役刑を選択
一、（刑の執行猶予） 被告人清水八郎に対し刑法二五条一項
（裁判官 橋本勝利）